「初音ミク・アペンド」
それは本来、言わずと知れた「初音ミク」の、文字通りアペンド=追加データを盛り込んで表現の幅を広げる音源パックとしてリリースされた作品を指しますが、今回紹介するフィギュアは、その本質を垣間見るために重要な意味を持っていると思います。
このフィギュアの原型担当は「浅井真紀」氏――
メカニックと少女の素体が融合した作風を得意とし、約1/12スケールの小型可動フィギュアのデザインコンセプトを、マックスファクトリーの「figma」や、コナミの「武装神姫」にて打ち出している、この道の第一人者と呼ぶべき存在。
フィギュアのデザイナーとして多くの実績を持つ氏ですから、あまり1/8スケールの完成品を直接担当される機会は少ないと思われるものの、メカニックと少女の融合という氏の得意分野と合致する「初音ミク」のフィギュアを手掛けることは、意外どころかむしろ、ついに手掛けてくれたかと感激するほどです。
――と、ここで、先程は“本来”と称した追加パックの「初音ミク・アペンド」のパッケージデザインを見てみると…… 【 Miku(Zero-Vocalist ver) design by 浅井真紀 】とあります。
この「初音ミク・アペンド」のデザインは、つまり、当初から“フィギュアデザイナー”浅井氏のデザインなのです。
まさに、フィギュアになるべくして登場した「初音ミク・アペンド」版のミク。
いよいよその、待望のフィギュアが製品としてリリースされました。浅井氏が立体としての美しさを求め、デザインされた初音ミクの姿を、存分に楽しみましょう。

MAXミクアペンド 00
メーカー(販売元)マックスファクトリー
原型制作浅井真紀
スケール1/8スケール
パッケージサイズ16(W) x 16(D) x 34(H) cm


パッケージから見ていきます。

MAXミクアペンド パッケージ 1

MAXミクアペンド パッケージ 2

直立したポーズで、台座からは少し浮き上がり、さらには長い髪を逆立てるかのようになびかせるデザインのため、当然ながらとても縦長なパッケージとなっています。
黒を貴重としたシックな印象と、全体的にシンプルな配置のデザインは、作品自体の魅力をストレートに表現しているようです。

MAXミクアペンド パッケージ 3

とはいえ見逃せないのが、作品名を記した文字は艶のあるシルバーで描かれ、光の入射する角度によって浮き上がるように現れる模様が上品にあしらわれ、高級感を与えている演出。
この手法で思い出すのが、同じマックスファクトリーの“アダルト部門”である「native」の作品群というのがちょっと面白いところですが。


続いて、8方向より見ていきます。

MAXミクアペンド 回転 1

MAXミクアペンド 回転 2

MAXミクアペンド 回転 3

MAXミクアペンド 回転 5

MAXミクアペンド 回転 4

MAXミクアペンド 回転 6

MAXミクアペンド 回転 7

MAXミクアペンド 回転 8

今回は最初から最後まで、黒背景で撮影しています。パッケージやサンプル写真でも黒背景が使われており、比較対象としての意味も持ち合わせているレビューとしてはベストの選択ではないかもしれませんが、このフィギュアの魅力を惜しみなく伝えるには、自分の思考では黒背景意外は思い付かなかったからです。
さておき、この作品の魅力は先端に向かってクリア感の増す美しいツインテールの髪。
まるでそれ自身が意思と生命を持つかのように、ふわりと浮かび上がった髪の、美しい流線型を、光で遊びながら多角的なアングルで楽しむのがお薦めです。
そして、ミクの身体は一見するとまっすぐの棒立ちに見えますが、これはツインテールの表情豊かな表現と対比の意味で動と静を共存させていることもあるでしょうが、女性の肉体美をストレートに余すところ無く感じ取れるのが素晴らしいと思います。
特に、反らした状態の流線型が美しさの極地へ至っているかのようです。
また、この作品は台座が極めてコンパクトであることも注目です。超縦長でいかにも倒れやすそうなデザインである上に、台座の接地面がわずかにしかないため、少し揺れただけで倒れてしまいます。
しかも、その髪はクリアパーツを含むABS製。
飾る場合には、くれぐれも台座の固定をお忘れなく。


それでは注目点をピックアップ。

MAXミクアペンド 01

正面からの顔。
初音ミクを題材としたフィギュアは数多くリリースされていますが、こちらは浅井氏がリファインしたデザインのため、かなり個性的で、他にはあまり見ない印象の顔立ちになっています。
文字通り美少女としては申し分ないと思いますが、美少女フィギュアで大きな支持を集める系統とは外れているように思いますので、多数派向けの顔立ちが多い初音ミクフィギュアの中では異端のデザインであり、広く受け入れられるかは難しい気がしますが、この作品の美しさを高次元でまとめ上げるにはベストの選択と思えるので個人的にはとても良いと思います。
売れ筋を狙って販売数の絶対値を求めるのではなく、純粋に作品としてのベストを選択する方針の作品も、たまにはあってもいいでしょう。

MAXミクアペンド 02

左側からの顔は、その美形ぶりが際立つ造形。
わずかに開かれた口の造形が特に秀逸。口の中、唇と凹凸が丁寧に造形されています。
また、光の入射角を変えると、前髪もクリアパーツであることが見て取れます。
マックスファクトリーのスケールサイズの初音ミクフィギュアは、揃ってクリアパーツの髪を有していますが、こちらは今までで最も薄く、美しいエメラルドグリーンとなっているように思えます。
また、この角度から主張しているのがとても気になってしまう、その胸の膨らみ。
決して大きいはずのないボリュームながら、上体を反らしているために張りの良い乳房がツンと上を向き、強い主張をしている事が強烈に目を奪います。

MAXミクアペンド 03

右側からの顔を、さらに鼻筋が際立つようなライティングで。
ただでさえ天使のミクさんが微笑んでいるというのに、なぜこんなにも妖しげに見えるのでしょうか。
ただでさえ天使のミクさんにアペンドされた異なるアプローチ表現が、ここに形となっているかのようです。

MAXミクアペンド 04

顔から太腿までのラインを見るアングルから。
とても美しい事と併せて、女性の身体が男性に訴えかけるエロス成分が存分に発揮されているかのようにも見えます。状態を反ることで、結果として腰が突き出されているのがそのような気持ちにさせるのでしょうか。
ネクタイがぺろーんと持ち上がっているのが、開け放たれたへそ周りをご開帳しているかのようにも思えて、ただでさえ天使のミクさんが男を誘惑しているかのような錯覚を得てしまいます。ただでさえ天使のミクさんがどうしたことでしょう。

MAXミクアペンド 05

耳は一般的な美少女フィギュアと比べると大きめに作られています。

MAXミクアペンド 06

上から見下ろすようなアングルで。
中央から放射状に伸びる髪の表現が調和して美しいですね。
この角度からだと、切れ長の目の妖しげな雰囲気が際立って見えるようです。

MAXミクアペンド 07

背後から首や肩周りを。
ノースリーブの肩が腕を包む衣装との間に絶対領域を形成し、腋こそ見えていないものの、性的な何かが湧き立っているかのような気がしてしまいます。着衣エロの観点から高ポイントの衣装であることが改めて感じ取れます。

MAXミクアペンド 08

背後からのアングルを腰から上へ。
顔よりも豊かな表情を見せるツインテールの形状にうっとりとしてしまいます。
また、上体を反ったことによって形状がより明確となった背の湾曲がとってもセクシー。
特に、腰の中央部の窪みが指先で伝ってみたくなるほど魅力的なラインを象っています。

MAXミクアペンド 09

炎がゆらめくように上昇するツインテールが印象的ですが、そのツインテールを結わっているリボンがメカ状のパーツとして作られているのもこのアペンドなミクの特徴です。

MAXミクアペンド 10

前方に回りこんで、浮き立つツインテールを捉えます。

MAXミクアペンド 11

左側面から。
複雑に絡み合っているようで、しかしS字を基本としたツインテールの描くラインは、美しいと感じる心の琴線を強く弾きます。

MAXミクアペンド 12

左腕にはミクの特徴のひとつである赤い「01」の刻印。
さらにその下に、小さな文字で「MIKU HATUNE  VOCALOID」と刻印されているのも見逃せません。この大きさでもキチンと識字できる精度です。

MAXミクアペンド 13

服の表面はややザラリとしていながら、艶もある独特の質感。
特殊なスーツを見に纏っている事が、彼女が単なる人間でないことを意識させられるようです。

MAXミクアペンド 14

腰にもまた、01の字が刻印されたパーツが。
腰に描かれた模様にも注目です。

MAXミクアペンド 15

そしてこの、前に突き出されている腹に浮かぶヘソのスジがもう何ともエロス。
腹フェチである自分としては、この腹を強調した所に浮かび上がっているヘソのスジの造形については手放しで高評価を与えたいところです。
そして、股に向けて貫通してうっすらと開かれた服の間隙から、しかし女性の身体を持つ者としては隠さなくてはならない場所には包み込む用にメカメカとした部品が覆われている所が、メカ少女のエロスを表現する上での醍醐味といえる部分でしょう。

MAXミクアペンド 16

そのメカメカしい部品の下には、スカートのように垂れ下がるクリアパーツの部品。
形状から、百合の花を模しているかのようですね。
そして、その間からは白いものがチラリ。安心したような、ちょっと残念なような。

MAXミクアペンド 17

このフィギュアは、台座とミク本体を、この支柱一点で支えています。
そこにはネジ止めがされているのですが、ここは回転軸となっていて、ミクを飾る角度を移動させることができます。
これが緩いと当然、固定したい場所に動かしてもカクンと手前に傾いてしまいます。動かしている中で緩んできたら、適度に締めなおしましょう。
また、後ろに倒しすぎるとやや重心が不安定になり、この小さい設置面積の台座ではまともに支えきれなくなるので、やりすぎに注意しましょう。

MAXミクアペンド 18

股下を狙ってローアングルから。
白い膜に覆われていて嬉しいんだか悲しいんだか。

MAXミクアペンド 19

脚については、すらりと伸びて美しく、スレンダーな体型に似合っています。その脚を覆う衣装には、黒から白へのグラデーションが施されていて、シンプルな模様を引き立てているかのようです。

MAXミクアペンド 20

左の足首には、ボーカロイドシリーズの販売元である「クリプトン」社のロゴが刻印された輪が嵌められています。固定はされていないので、ロゴの見える位置を回して変更することも出来ます。
足には手と共に、ミクの特徴である緑色に塗られた爪がきちんと塗装されています。

MAXミクアペンド 21

台座には、スピーカーのようなパーツが左右に付けられます。
また、中央部から支柱にそうようにカセットテープのテープのような部品が繋がれています。

MAXミクアペンド 22

台座の両サイドにあるスピーカーは根元から角度が変えられます。


今回、撮影にはいつも以上に光の当て方に慎重になり、時間が掛かりました。それだけ、光の当たり方によって魅力が大きく移り変わっていく作品とも言えます。
また、今回使用した黒背景は、ノングレアなパネルの液晶テレビ画面を利用しました。家にある黒背景に出来そうな素材は、ことごとく変に照明の光を拾って余計な反射をして思い通りに扱えませんでしたが、ダメ元で試してみた液晶画面が意外と表面反射が理想的な条件となっていて、見事にマッチしました。
一部の写真では意図的に反射させ、被写体を際立てている場所もありますが、合成ではありません。本当に、理想的な反射にコントロールできたので大発見でした。
これからも、液晶テレビを背景にして撮影する機会が増えそうです。