今回ご紹介するのは、大変珍しいプロフィールの品です。
今となっては珍しくない東方Projectのキャラクターフィギュア、それも主人公である博麗霊夢は多くのフィギュア化をされていますし、果てはドール化までされているほど。そのPVC製フィギュアとなれば全く特別な存在ではないのですが、こちらの作品はそれらの要因は関係の無い点に於いて特殊なプロフィールをもつのです。

同人制作扱いのPVCフィギュア。

この2つはまず両立する事はありません。
PVC製フィギュアは工場による大量生産が前提であり、高価な金属製の型を作り、作業員たちが複数人で役割分担をして作っていくものであるので、どうしても最低限のハードルが高く、個人名義と資金源で販売する事になる同人制作の品としては難しい選択になり、フィギュア製作の分野では同人制作=ガレージキット制作に自然と収まってしまう事がほとんどです。
つまり、PVC製フィギュアを作るには、その最低限の数を作っても売れ残り等で収益がマイナスとなってしまう事が無いようにするため、最低限の数を売り切る目算が立つ事がゴーサインを出す上での大前提と言えます。
となると、個人名義で販売数を確保できるだけの人気や実績を持ち、販売前に制作費を初めとする必要経費を払えるだけの資金を確保できることが必須条件となるため、まず同人の立場ではやりたくてもなかなか現実的には成し得る事が出来ません。

そんなワケで、その厳しい条件をクリアしてリリースされたのがこの作品です。
厳しい条件であったことを象徴する【完全受注生産品】かつ、一定数の受注が無い場合には予約および生産がキャンセルになるという際どい状況でしたが、こうして無事完成品を手に取ることが出来ました。
自分も予約をした事で、このプロジェクトに参加して微力ながら力添えが出来た気持ちになれるというおまけ付き。なんか、いいですよねこういうのも。
このような特殊な条件のため、価格は1万3千円近い、このサイズのPVC完成品としては高額な製品ではありますが、他では味わえない充実感を伴って、そのレアリティを加味して、同人でここまでのクオリティを実現したことにただただ驚嘆し、大いに楽しめる品となりました。

ちくたく 例大祭霊夢00
メーカー(販売元)ちくたくらびっと
原型制作サエキカズヒロ
スケール1/8スケール
パッケージサイズ16.5(W) x 13.5(D) x 24(H) cm


まずはパッケージ。

ちくたく 例大祭霊夢 パッケージ1

ちくたく 例大祭霊夢 パッケージ2

珍しい透明パッケージ。外箱は紙ではなくプラスチック系素材。中に一部台紙が入っている形です。ブリスター越しに、そのほとんどを見て確認することができます。目を引くパッケージデザインは行えませんが、購入を検討する者としてはとてもありがたい仕様です。
特にこのフィギュアは、一般的なパッケージなら隠れてしまう、背後のパーツに大きな見所があるので、このパッケージでその魅力を隠すことなくアピールできる点はとてもプラスになると思うのですが――惜しむらくはこの作品が「受注生産品」であるために、店頭で見てから購入とはならない事。受注生産品であればパッケージでアピール必要がないために簡素で良いというアドバンテージはあるでしょうが、こちらは簡素である以前にセールスポイントである背後のパーツを見せる事を重視した(と思われる)パッケージなのにそれを店頭販売の際に活かせないのは勿体無いと思ってしまいますね。
いやまあ、外野のピントがずれたお節介はこのくらいにしておいて。


8方向を見ていきましょう。

ちくたく 例大祭霊夢 回転1

ちくたく 例大祭霊夢 回転2

ちくたく 例大祭霊夢 回転3

ちくたく 例大祭霊夢 回転4

ちくたく 例大祭霊夢 回転5

ちくたく 例大祭霊夢 回転6

ちくたく 例大祭霊夢 回転7

ちくたく 例大祭霊夢 回転8

同人作品のPVC製完成品フィギュアというカテゴリ自体が稀なので、これがどれほどのものなのか比較して判断はできませんが、かなりのクオリティに仕上がっています。メーカー品と合わせても、PVC製としては高い精度で原型を再現している見事なレベルのように見受けられます。
ただ、視線の方向がちょっと右下に寄っているように見えるアイプリントになっていますね。サンプルでは正面だったので、これには違和感を受けました。
しかしそんなこと些末な事と思わせる、背後に広げられた帯の美しいプリントの圧倒的存在感。前面からだけでは拾いきれない魅力が背後にたっぷり詰まっています。


それではピックアップしていきましょう。

ちくたく 例大祭霊夢01

顔。
基本的には正面から撮るのですが、アイプリントの視線に合わせてちょっと右から。
ほんと、瞳はちょっとしたバランスで違和感が出てしまうから難しいです。こうやってじっくり見ても、どうやったら正面を向くのかと言葉にして説明するのが大変です。
ということで、強引にレタッチしてみました。

ちくたく 例大祭霊夢 修正版

レタッチの痕跡もそのまま残しています。
ざっくりと工程を説明すると、瞳孔と虹彩がクッキリ入っていたのをぼかして、左目は内側の線をちょっと削り、右目は虹彩の形状をやや時計回りに回し、目の位置を全体的に左側へ寄せました。これである程度は視線が正面を向いたと思います。
いや、ここさえサンプル通りに再現されていたならあとは申し分がなかっただけに残念だったので、敢えてレタッチまでして修正版を提案してみました。
ということで、他の点は実に見事。プロフェッショナルな仕事と言って良いでしょう。前髪の形状は凹凸が絶妙に象られていますし、顔の両サイドにある霊夢の特徴である髪留めの模様が極めて高い精度で描かれています。メーカー製品でもここまでの精度の品は少ないです。となると、同人ならではのこだわりが詰まっていると言う方が正解なのかもしれませんね。メーカー製品では妥協されてしまう点が妥協されていない。製作者の譲れない意志が垣間見えてくるようです。

ちくたく 例大祭霊夢02

左顔。
この角度だと右目の位置がズレている事を一番意識してしまいそうですね。まあそれは置いておきましょう。
他の部分はほぼ完璧じゃないでしょうか。後ろ髪も簡略化されそうな部分が細やかに作られていて良い仕事がされています。

ちくたく 例大祭霊夢03

右顔。
こちらからだと瞳のバランスが目立ちませんね。これが面白いところです。二次元の絵ではよくある、描いた顔の絵を裏返すと違和感が出てくるというアレに似ています。
そんなワケで、こちらから見たらほぼ完璧。めちゃくちゃ可愛い霊夢です。ポニテも見えますし。
口の中もちゃんと立体的に処理されているのがとても好印象です。

ちくたく 例大祭霊夢04

霊夢のチャームポイントであるリボンも再現度がとても高いですね。
造形は一部でガタ付きが見られますが、塗装乱れもないですし見栄えの上では問題ないでしょう。

ちくたく 例大祭霊夢05

背後に回りこんで。
このあたりの情報量が凄いですね。腋巫女と評される独特の巫女服造形はそれほど目立たないポーズになっていますが、チラリと見える肩にはそれはそれでそそられるものがあり。
フリル的表現がびっしりと施されていて、模様は丁寧に描かれていて、そして腰の帯には見事なプリントが。強烈な印象を与えてくれます。

ちくたく 例大祭霊夢06

くるりと回りこんで前面から右手を。
丁寧に造形された指に、手首には緑色のアクセサリが嵌められています。袖にはこれま見事なプリントが施されていて、白と朱と金の取り合わせなのでとても豪華です。巫女が神楽を舞い踊る時のイメージカラーそのものですね。

ちくたく 例大祭霊夢07

左側から。
袖の模様、帯の模様はもちろんのこと、腰に結えられた紐の装飾もこれまた見事。美しく白と朱で塗り分けられています。こうした箇所がハイクオリティで妥協無く作られているので、大変華やかで美しい作品となっていますね。

ちくたく 例大祭霊夢08

そして大きな見所となる、背後に拡げられた帯と、その模様。
まさに和のテイストが広がっています。黄金色から紫に移っていくグラデーションがまた美しい。紫色は大和国における最も高貴な色ですから、いかにも日本らしい美意識を象徴するカラーリングですね。

ちくたく 例大祭霊夢09

足元。
それほど主張してはいませんが、軽く上げられた左脚が動きを作り、草履の鼻緒で支えられてかかとがわずかに浮き上がっているのがさりげなくも可愛らしい仕草です。そしてふくらはぎの形状と、足袋の白色とのコラボが健康的な脚の美しさを引き立てています。

ちくたく 例大祭霊夢10

足元はこのように、くるぶしの辺りまで露出する足袋っていいですよね。

ちくたく 例大祭霊夢11

かかとが浮いているのがわかりやすいアングルから。
台座が透明なので、光の当たり方によってクッキリと鏡面反射が見られます。

ちくたく 例大祭霊夢12

そしてスカート部分を唐突にパージした写真を。
中はもう当然のごとくドロワーズでございますよ。東方Projectにおいては、巫女服だからとかどうとかは関係なく、ドロワーズを着用していることが譲れない正義ですね。
確かにパンツに比べれば覆う面積が多く、股間周りの形状も表面化しないのでエロティックな印象は欠けますが、その幼児っぽさを感じさせるフォルムから、背徳的なモノを感じさせてくれるような気がします。可愛らしいリボンも付いてますし。
それにしても、隠しておくのはもったいないほどシワの表現がリアリティ溢れていますね。気持ちがこもりまくった造形です。原型師さんはドロワーズ愛好家なのではないかと想像してしまうほどに。
そして目立ちませんが、ヘソと腹肉の造形もちゃんとされていますので、スカートを穿いている状態だとヘソチラも楽しめます。この隙間をチラリと見せる服飾デザインは、セックスアピールをする上では隙がありませんね。そりゃお賽銭も集まるってものです。

ちくたく 例大祭霊夢13

股間周りの形状が表面化しない、と言いましたが、どっこい尻の形状は見事に浮き出ています。素晴らしいです本当にありがとうございます。ますます隠れているのがもったいなく感じてしまいますね。

ちくたく 例大祭霊夢14

そして見逃せないのは膝裏造形。おいしそうな脚のフォルムと共に。
背後の帯は素晴らしいの出来で見栄えが良いのですが、鉄壁に近いロングスカート共に、この脚が拝めないのが大変残念であります。台座には帯を支えるパーツがあり、こちらの写真では左下に写っていますが、このように外さないと脚が隠れちゃうのです。
いやしかし、普段は隠れているからこそ、それが見えたときは貴重な存在に思えて、エロティックさも引き立つとは良く言ったものですね。パンツもモロ見えだと興醒めしてしまうもの。パンチラだからいいんです。そういうことですね。

ちくたく 例大祭霊夢15

ここで、パッケージ底面の注意書きを。
このように、同人作品であり一般のホビーショップなどでは市販されないことが明記されています。
こちらのレビューをご覧いただき、購入欲をたぎらせてしまったとしても、その希望には応えられそうにないので申し訳ございません。

ちくたく 例大祭霊夢16

最後に、このアイプリントだからこそのスウィートアングルを。
精神的ドMなワタクシには至上の決めアングルでございます。これがビシッと決まった以上、もうこのアイプリントである事に否定的な意見は出せませんね。
まるでこの霊夢が「お賽銭それだけなんだー、あははー、それだけなんだー、へぇー、しらないからー(棒」って言ってくれてる感じがもうたまんないですよ。

ごちそうさまでした。
\ゆっくりみていってね!!!/