猫耳装着をはじめとして、猫に関する要素を盛り込んだキャラクターは数多あり、元々強固である猫自体がとても人気であることもあって、キャラクター分野でも人気のカテゴリと言っていいほどですが、キャラクター名として「黒猫」などというシンプルすぎで明確な名を用意されたキャラクターは他に思い当たりません。
この単語だけ聞くとアバウトすぎて、特定のキャラクターとしてすぐに辿り着けないのではと危惧してしまうところですが、いやそれは杞憂だと言われるだろうほどに、最近のキャラクター分野で黒猫と言ったらこのキャラと口裏を合わせたかのように断定されてしまうであろう、多大なる影響力を及ぼし人気を獲得したのがこの「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」に登場する黒猫さんです。
ツン要素、厨二要素の2つをふんだんに盛り込み、物語を鮮やかに彩る強い個性を放ちつつ、オタク視点から見て共感が持てるところが多く親しみやすさがあり、その上で可愛らしい容姿とあっては惹き付けられないはずもないというもの。
こちらをはじめとするフィギュアも発売前から大きな注目がされていた黒猫さん。満を持してスケールフィギュアでの登場です。

ブキヤ 黒猫 00
メーカー(販売元)コトブキヤ
原型制作白髭 創
スケール1/8スケール
パッケージサイズ17(W) x 16(D) x 23.5(H) cm


まずはパッケージ。

ブキヤ 黒猫 パッケージ 1

ブキヤ 黒猫 パッケージ 2

目にして最初の印象は、コトブキヤの作品で、ほぼ素立ちに近いポーズの作品としては幅のあるパッケージだなという事でした。
実際に、かなり空間が大きく取られていて、そこに付属パーツが有るわけでもないので、ちょっと無駄にスペースを取ってしまっている気がしてしまいます。
しかしこれは恐らく、シリーズ作品である高坂桐乃のパッケージサイズに合わせているのではないでしょうか。あちらがポーズとして前後に幅を取っているので、こちらもそのデザインをベースにした結果、この形となったと思われます。
作品名そのままではなく「妹の友達が」ってなっているところが面白いですね。友達、というにはちょっと尖り過ぎた関係に感じますが、まあ、ケンカするほど仲がいいとよく言いますし。


続いて8方向。

ブキヤ 黒猫 回転 1

ブキヤ 黒猫 回転 2

ブキヤ 黒猫 回転 3

ブキヤ 黒猫 回転 4

ブキヤ 黒猫 回転 5

ブキヤ 黒猫 回転 6

ブキヤ 黒猫 回転 7

ブキヤ 黒猫 回転 8

第一印象としては、こんなに上体を反っているの? でした。予想以上にふんぞり返っています。可愛さ余って憎さ百倍系ですね。いや、可愛さも余り過ぎではあるのですが。
これだけ反っていると、態度もより素っ気ない印象になりますね。そして精神面がMな人にはよりたまらない視線がもらえます。
素立ちに近いとは言え、絶妙の手足の配置。その一挙手一投足に感情が宿っているかのようです。
腰に当てた右手からは、揺らがない自信と、負けん気の強さ。強く握られた左手からは、ちょっと背伸びして虚勢を張っているかのような、複雑な胸の内が浮かび上がっているようです。脚のつま先は内側に寄っていて、上半身でアピールした男勝りの態度とは裏腹の、か弱い女の子の佇まいが感じられます。
髪とスカートはわずかに左手側に向かって広がっていて、まさに今この決めポーズを取ったかのように見えますね。


ピックアップしていきましょう。

ブキヤ 黒猫 01

視線は左え流れているので、このアングルが正面だという位置は決めきれないのですが、バランスとして良さそうなのはこの辺りなのでこちらを正面としておきます。
見下ろすような視線のフィギュアなのかと思っていたら、視線としてはちょっと上を向いていました。公式プロフィールでは、決して低くはない160cmの身長の持ち主なので、それほど相手を見上げる必要はないと思うのですが、ではどういったモノにこの視線を向けているのだろう。いやむしろ、都合が悪い事があって視線を逸らしているのかもしれない、などと想像してみると楽しかったりします。そのどちらかでベストアングルも変わってきますし。
たぶんこの角度はパーツのバランスは良いですが、ベストアングルとは言えないのでしょう。
アイプリントは非常に光沢があり、写真撮影としてはちょっと苦労しました。とは言え、肉眼で見る分にはむしろそのツヤがプラスに作用するような綺麗な出来です。
このくらい下から覗き込むようなアングルでないと確認できない眉の形は、不満そうであり、もどかしそうでもあり、恥ずかしそうでもある状況によって何とでも取れそうなニュアンス。やはり、色々と想像すると楽しく、バラエティーに富んだ楽しみ方が出来る作品だなと感じさせてくれます。素立ちに近く情報量が少ない作品かと思いきや、想像する幅を広げてくれるために大きな可能性を秘めている面白いアプローチが為されていますね。自分が勝手に想像を膨らませすぎなのかもしれませんが。
前髪のまとめ方はPVC化した時のダルさがあまり感じられないタイプである上、きっちりと象られているので非常に良く見えます。肌色も安定。ハイレベルで安定したコトブキヤ製品を見させてもらいました。

ブキヤ 黒猫 02

左顔。
この写真だと頬が張りすぎているように見えますが、肉眼ではそうでもなく自然に出来ているので気にしないでください。また、首元の白い部分が凸凹しているように見えるのも、レース地特有の模様が施されているからで、実際にはかなり綺麗に整形されています。(レビューなのに評価するのに相応しくない写真を掲載するのはオカシイと言われてしまうでしょうが)
黒猫のワンポイントアクセサリーとして印象的なバラのパーツも特有の形をよく再現しています。
ただこのバラには一部、黒ずんだ塗装となっている部分があり、個体差はあるでしょうが今回紹介している個体には計2箇所の黒ずみが確認されたので、これはちょっと残念な点です。
この角度から見る顔は、拗ねたように見えますね。

ブキヤ 黒猫 03

左顔。
顔の印象以外は、右からのアングルとほぼ同じです。右手を腰に当てているので、腕の部分の印象は違いますね。黒いゴスロリ服と比べるとわずかに紫側に振られている色合いのリボンが強烈ではないながらも、印象的なアクセントになっています。
この角度から見る顔は、かなり気の強そうな印象を与えますね。

ブキヤ 黒猫 04

頭頂部に向けてアングルを上げてみました。
バラの付いたヘッドドレスが、ちょっとクセのあるオシャレセンスを強烈に伝えてくれています。

ブキヤ 黒猫 05

胸から腰に掛けて。
胸のボリュームは無いに等しいですね。猫系のキャラクターは貧乳か巨乳かハッキリする傾向にあるようなイメージですが、こちらは確実に貧のほうでしょう。と言ってもプロフィール上は77あるので、極端に小さいワケでもなく、やや控え目という程度のようです。
胸は控えめだけども態度はデカイ。けっこう定番の妹キャラですね。いいと思いますよ。
ほとんど黒一色の中に、腰回りだけ白が見えるのが目を引きます。セクシーです。

ブキヤ 黒猫 06

右腕と、腰に当てた右手。
虚勢含みであったとしても、ストレートに態度が現れていますね。猫は体を大きく見せて相手を威嚇する動物なので、この態度は黒猫の名に相応しいのではないでしょうか。
丸まって、手のひらにはわずかに肉が盛り上がっているところが目立たないものの手フェチには見逃せないポイントです。

ブキヤ 黒猫 08

ちょっと下から見上げるアングルで。
柔らかい袖口の表現や、腰の横のリボンも見逃せません。

ブキヤ 黒猫 07

後ろから両手を並べて。
右手は小指から人差し指に向けてだんだんルーズに広がっているところがいい表現ですね。対して左手は、中指と薬指は強く握られ、人差し指と小指はややルーズという表現の差がまた面白いところ。

ブキヤ 黒猫 09

こちらが左手を手の甲の方向から見たところ。
先ほど書いたように、真ん中の2つだけ強く握られているところに、どんな意志が介在しているのか読み取りたくなってしまいます。

ブキヤ 黒猫 10

正面のスカート部分。
十字架模様が目を引きます。元々この服装は作中作である、厨二設定満載とされる作品に登場するキャラクターの衣装であるために、その作品性を強調するための記号をこのように服装にもすえつけているのでしょう。
黒猫はこれらのコスプレ衣装を自作しているため、自信作を着て出来の良さをアピールしたい気持ちや、コスプレ衣装を作るほど好きな作品とそのキャラクターになりきっている以上はそのキャラクターを貶めることがないようにと精一杯気持ちを張っているのではないかとも思えます。
そう考えるととっても健気。ますます黒猫さんが好きになってしまいそうです。

ブキヤ 黒猫 11

後ろ髪。
上の方はほぼのっぺりですが、違和感なく自然に見えるのは、見せ方が上手いのでしょうね。実力派の原型師と、フィギュア制作の技術と経験が豊富なコトブキヤらしさがあるなと感じる点です。

ブキヤ 黒猫 12

足は紫に近い色の黒ストッキングに、ツヤのあるローファーの靴。そこにワンポイントの、ストッキングと同色のリボン。細かいところもきっちり再現していてマメですね。フィギュアの造形としても、黒猫のこだわりにしても。
台座はほぼ透明で、わずかにブラウンを落としたような色合い。ここでは下に紫色の背景紙を入れているのでそうは見えませんが。

ブキヤ 黒猫 13

ということで台座を単品で白の上に置いたところを。
この台座、このように二重構造になっていて、中の文字が差し替えできるようになっています。
そのうちのひとつは、作品の男主人公である京介の絵がプリントされているのですが、位置を考えるとまるで黒猫のスカート内を真下から覗き込み、バツが悪そうに目を逸らしているようにも見えるので、ちょっとその立場にイラッと来るためにこの台紙は個人的に採用できかねます。

ブキヤ 黒猫 14

最後に、自分の中でベストアングルと思った顔を。
瞳孔の位置がおもったよりも上に付いていたので、このようにやや上目遣いになるのがベストです。
そして前髪の間から、眉をひそめた感じを覗かされば、口元の形状も相俟って、どうにもこうにも愛おしさ溢れる顔に見えてきます。まるで、頼りたいけどもそれを素直に伝えられなくてもじもじしているような顔。
うん、お兄さんにどんどん頼るといいよ。そう、力強く言ってあげたくなります。

もちろん、それを言ったら難なく揚げ足を取られて、自分の発言の安っぽさを辛辣に指摘され、後悔すること請け合いですが。

いずれにせよ、魅力たっぷりの黒猫さん。
そのキャラクター性が絶妙に混ざりパッケージングされた、黒猫ファンには逃せない逸品に仕上がっている印象のある作品でした。