ガレージキットディーラーとして不動の人気と実力を誇る「夢のカグツチノ公国」戸田氏の作品。その中にあって、人気作「Fate/stay night」のキャラクターをモチーフにした作品はフィギュアファンに強い支持を得ているように思います。
確かな造形技術によって紡がれた精巧な作りは、多くの造形好きを唸らせています。
そのシリーズのひとつである「セイバー」をもってフィギュアのリリースを開始したGift社にとっては、コーポレート・アイデンティティーとも言えそうな本命作品であろう存在が、今回発売された「間桐 桜 〜マキリの杯〜」ではないでしょうか。
この作品はソリッドシアター社(現在はムービック社に合併)から3年前に発売された「セイバーオルタ」と台座にて連結するというギミックが施されていて、メーカーの垣根を超えたコラボレーションが行える画期的な作品にもなっています。
ガレージキットとして個性豊かで緻密な造形にて制作され、強烈な魅力を有する作品を、高次元のクオリティによりPVC完成品としてリリースされた本作品。個人制作物のガレージキットでなければ手にすることが難しかった魅力を、市販品として入手できる喜びが味わえる、価値の高い品となっています。

Gift 黒桜 00

メーカー(販売元)Gift
原型制作戸田聡(夢のカグツチノ公国
彩色原型制作沙羅(蒼月少女
差し替え頭部パーツ原型制作ひろし(桜前線
スケール1/8スケール


まずはパッケージ。

Gift 黒桜 パッケージ 1

Gift 黒桜 パッケージ 2

昏い紅蓮の色に染まる、独特の存在感を有するパッケージとなっています。
注目したいのが、全体の原型を担当されている戸田氏だけでなく、彩色担当者(フィニッシャー)である沙羅氏や、差し替え頭部パーツの原型を担当したひろし氏の名前も明記されていること。夢のカグツチノ公国と桜前線という、高い人気と実力を備えるディーラーの2名が揃い踏みしているだけでもフィギュアファンにとっては感涙モノでしょうが、フィニッシャーさんの名前が載っていることが大きなポイントと言えるでしょう。
ガレージキットは基本的に無彩色のレジンキットとして用意されるため、彩色は組み立てを行う人の技術と感性と好みによって大きく違いが発生することがままあります。
フィニッシャーは言わば彩色のプロフェッショナル。テクニックと配色センスを兼ね備えたフィニッシャーが彩色を施すことによって、作品はさらなる魅力を持って輝きを放ちます。
つまりフィギュアの作品性はフィニッシャーの技量も少なからず含まれています。
(フィギュア作品のデコレーションマスターサンプルは基本的にフィニッシャーの手により彩色されています)
このように、完成品フィギュアに触れている限りではその存在を意識することのなかった彩色担当者の名が明記されていることは、大きな意義があるのではないでしょうか。


つづいて、8方向から見ていきます。

Gift 黒桜 回転 1

Gift 黒桜 回転 2

Gift 黒桜 回転 3

Gift 黒桜 回転 4

Gift 黒桜 回転 5

Gift 黒桜 回転 6

Gift 黒桜 回転 7

Gift 黒桜 回転 8

血溜まりのような赤黒い衣装に身を包んだ、禍々しい姿。
それは布のように見えて、自ら意思を持つかのように蠢いて揺らめいています。
背後ではその様子がダイナミックに表現されていて、ボディラインがくっきりと感じられる正面からの姿とは対照的になっているのが目を引きます。


それではポイントごとに見ていきます。

Gift 黒桜 01

正面からの顔。
美しさを持ちながらも、狂気を孕む鋭い眼光の瞳。衣装のおどろおどろしい見た目と共に、受け付けられない人はいることでしょう。
ある意味、原作のネタバレ要素を多分に含む姿ですが、原作ファンにはたまらない再現性。
美しいアイプリントに、肌に浮き上がった模様、妖艶な笑みを象る唇など、納得の完成度です。

Gift 黒桜 02

左側から、視線を真正面から受けるように見ると、Mっ気をお持ちの方にはたまらない視線を頂けます。
前髪が被るのも、陰湿な雰囲気を高める方向に働いています。
その評定とは対照的なまでに、可愛らしいピンクのリボンが元の従順で甲斐甲斐しく愛らしい姿を思い返させます。

Gift 黒桜 03

右側から見ると、意味深な流し目を楽しめます。
それにしても、顔の下にある膨らみからこぼれる球体が気になりますね。

Gift 黒桜 04

背後から。
流れる美しい紫色の髪と、炎が立ち上がるように表現されたマント状の衣服が、造形にダイナミックな印象を与えています。前方と後方ではかなりの印象の変化をもたらしてくれるため、様々な角度から見て楽しむことが出来る作品となっています。

Gift 黒桜 05

髪に結えられたリボン。
ここだけを見てみると、とてもこの禍々しい姿は想像できませんね。

Gift 黒桜 06

左側面からやや俯瞰で。

Gift 黒桜 07

同じく右から。
角度によってはこのように前髪に瞳が全て隠れるため、見えない恐怖を掻き立てられる気分になってきます。

Gift 黒桜 08

背後をやや見上げるように。
禍々しくも美しい紅蓮の炎。艶やかな塗装かつ半透明部分も含むパーツのため、光の当たり方により様々な見え方をして面白いです。

Gift 黒桜 09

右腕。
不気味な模様が浮かびつつも、その指先は綺麗な少女のものに違いありません。
歳相応の丸みと、感情を良く表現した形状となっています。

Gift 黒桜 10

左手。
こちらも実に微妙な曲線を描いています。小指だけがクイッと曲げられ、薬指もやや持ち上がっている独特の仕草に妖艶さを感じます。
爪には自然な色合いのピンクが乗せられています。

Gift 黒桜 11

足は裸足。どちらの足も通常の視界から、足の裏が拝めます。
足フェチにはたまらない部分でしょう。関節と窪みもよく再現されています。こちらも爪塗装あり。

Gift 黒桜 12

そして、こぼれる胸がその禍々しい姿とは似つかわしくないほど、女性のぬくもりを感じさせるような丸みを帯びており、とても柔らかそうです。近寄ったら命の危険がたっぷりですが、それでも近づいて揉みたくなるほど上等な形状。何とも悩ましいですね。


Gift 黒桜 13

衣装からはみ出る左足の膝周り。
腿の辺りに青い塗装まで施されている辺りが、毒々しい雰囲気を更に加味しています。

Gift 黒桜 14

背後から膝裏を覗き込むように見ると、女性らしい丸みのある太ももに、毒々しく黒に染まるふくらはぎのコラボレーションが。
セクシーさを感じる暇を与えてくれませんが、魅力たっぷりの足造形ではあります。
また、マント部分の細かい模様も見逃せません。

Gift 黒桜 15

少し引いて全体像を見るとこのような感じ。

Gift 黒桜 16

改めてマントの先端を見ると、このように模様が作られています。正面からは見れないこのような位置に、細かい仕事が施されているのが作品の魅力を底上げしているようです。

Gift 黒桜 17

別方向から。毒々しさこそあれど、魅力的な素足造形です。

それではここからは背景も変えつつフリーダムに。

Gift 黒桜 18

Gift 黒桜 19

Gift 黒桜 20

Gift 黒桜 21

Gift 黒桜 22

そして最後に差し替え頭部パーツを。