今回ご紹介するのは、グッドスマイルカンパニーから発売された、「化物語」のメインヒロインで、ツンデレだかツンドラだかな性格によって、萌えだか蕩れだかの感情を誘発させると言われている(前に自らをそう評している)独特なキャラクター性を有し、接吻なるキスの前にステープルなるホチキスによる愛情表現を行うちょっと怖い、いやかなり敵に回したくないタイプの、でも誰もが認めるであろうほどのスタイル抜群の美少女である「戦場ヶ原ひたぎ」さん――通称:ガハラさんです。

撮影意欲そそられまくりなポージングのため、とても一晩では終わりませんでした。
以下、2日間悪戦苦闘したというよりかは、存分に楽しませてもらった結果の写真です。

グッスマひたぎ07

メーカー(販売元)グッドスマイルカンパニー
原型制作徳永弘範
原型協力河原隆幸
スケール1/8スケール


まずはパッケージです。

グッスマひたぎ パッケージ1

グッスマひたぎ パッケージ2

面白いですね。
正面から見て、キャラクターの背後が見えるように設置されているパッケージは、なかなかお目に掛かれません。この時点で既に特異な作品性を感じ取ることが出来ます。
これは、元ネタをご存知の方なら当然把握済みでしょうが、アニメ版の版権絵を忠実に再現したものであり、正面から見えるこの背後のアングルこそ、イラスト通りのアングルになります。
なのでこの角度から見たときに最も見栄えがして、飾る際の決めアングルになるよう、デザインがされていると捉えていいでしょう。
箱の大きさは1/8スケール作品としてはやや大きめ。横にスカートを広げている更に両側に、各パーツが添えられているため、横幅がかなり大きくなっています。その代わり、厚みは横幅に比べるとやや控えめ。
版権絵を忠実再現、ではありますが、そのイラストは描かれていませんでした。なので、元ネタを知らない人には、オリジナルのポージングだと思う人もいるかもしれませんね。そうだとしたら、さらに意欲的な作品に見えてきます。
もちろんこの作品、元ネタがあるから単純に立体化しただけ、などと切って捨てられるようなシロモノではございません。そのギミックは充分に意欲的なものとなっております。詳しくは後述。


8方向から見ていきます。

グッスマひたぎ 回転1


グッスマひたぎ 回転2


グッスマひたぎ 回転3


グッスマひたぎ 回転4


グッスマひたぎ 回転5


グッスマひたぎ 回転6


グッスマひたぎ 回転7


グッスマひたぎ 回転8

角度によっては既に、普通は見えちゃダメな気がする布地が見えちゃったりしますが、そりゃこんな大胆ポーズを決め込んでいたのでは見えないほうがオカシイというもので。
こちらの反応を窺って値踏みするかのような、挑発的な性格が伝わってくるかのようです。
しかしまあ、これだけ見てもお察しいただけると思いますが、文具パーツがえらいこっちゃになってます。これだけ見たら、どうやって販売されているんだと首をひねりたくなるような状況。
ええ、当然のことながら組立式ですので、その点でも挑発的ですよ。


それではピックアップ写真とともに細かくレビューを。

グッスマひたぎ01

顔。
さすがに元イラストそのままのアングルでは端的に過ぎるので、やや回りこませたアングルにしました。
特徴的なのは、流し目に最適化されたデザインになっていること。
背後から見たり、この位置から見る上ではグッドバランスの瞳に見えます。
眼力が凄まじいですね。

グッスマひたぎ02

そして、ほぼ正面からみるとこのようになります。
やや目が離れている、いわゆる【ヒラメ顔】に見えてきました。
これが、この作品のひとつ大きなポイントでしょう。
これをマイナスと見るかどう取るか、です。

グッスマひたぎ03

その、横に広がった瞳を背後の《決めポーズ位置》から見ます。
すると、このようにキッチリとこちらに向いた、確かな視線を感じ取ることが出来ます。
これが正面から見た際のバランスを整えていたなら、横顔からの視線はここまで鮮烈に捉えられる事はないでしょう。
横顔、そして背後から見る事を前提とし、それに最適化されたデザインとなっているからこその【ヒラメ顔】造形。そう捉えるのが妥当でしょう。
見る角度によって破綻する顔パーツのフィギュアは多々ありますが、こちらの作品については技術やデザイン、表現力などが乏しいことによるものではなく、横顔にベストな表情を作るために、正面から見た際のバランスを敢えて犠牲にしていると思われます。
いや、この割り切りが結果として作品性を上げているのですから、プロフェッショナルの仕事と言えるのではないでしょうか。感服いたしました。

グッスマひたぎ04

そして、やや上から見下ろした際の横顔が個人的に一番ツボりました。
口元がどことなく歪んで見え、まるでこちらを嘲笑するかのような余裕綽々の表情。もうこれ、マゾ野郎には堪らない仕打ちです。
そしてもうひとつ、注目すべきはこの左手の指先です。
親指と中指と薬指の3点でスカートの裾を軽くつまみ上げ、人差し指と小指はふわりと浮いているこの状態です。

グッスマひたぎ05

この角度からみると、人差し指がキッチリとスカートの裾をつかんでいますが、ワタクシは先程のアングルから見た指の仕草が好きなので、そんな瑣末事は見て見ぬ振りを決め込みます。

グッスマひたぎ06

この指の形ですよ、この指の形。
いやもう、指フェチにしかわからない境地でしょうが、いいんです。自分がいいんだからいいんです。

グッスマひたぎ08

レビュアー単独暴走はそこそこにしておいて、下半身へとレビューの矛先を向けてきましょう。
と、その前に。背後から見る事をメインとしたデザインとは言っても、当然のように服の造形および塗装に抜かりはありません。
細かく付けられた皺表現とボタンの突起、流れるようにたなびくネクタイ、胸ポケットに潜ませている文具、そしてやや小ぶりに見えるものの張りの良い胸。
どこをとってもスタイル抜群の美少女、ガハラさんそのものです。
そして、両手でつまみ上げられて意図的に広げられたスカートからこぼれ落ちていく多種多様な文具。

グッスマひたぎ09

どこにこんなに隠されていたのかわかりませんが、とりあえずその太股をバッチリ拝ませていただけるので良し。

グッスマひたぎ10

ふわりと浮いた髪。
この髪、硬度が高く軽い素材であるABS製です。
確かにPVC製では重さがあるため、ここまでふわりと浮いた表現には出来なかったのでしょう。シャープさも保てなかったのでしょう。
ですが、その代わりに折れやすいのですこの素材。
ただでさえ周りに文具パーツを配置したり、付属の別タイプのスカートへ挿し替えたりした場合にそれぞれのパーツと髪が触れやすいデザインなのに、その髪がPVCに比べて折れやすい素材なので、取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。
この点については要注意事項ですので後述します。

グッスマひたぎ11

脚は艶ありのブラック塗装が施されたハイソックス。いわゆる絶対領域を象っています。

グッスマひたぎ12

その周りに多種多様な文具パーツが散りばめられます。
写真で見たら、一見すると本物の文具に見えてしまうかもしれないほどの再現性。すごいです。そこまで抜かりがありません。

グッスマひたぎ13

一覧するように。
これだけの精度のものを付属しているというのですから恐れ入ります。
その分、価格は上積みされていると感じられるほどですが……

グッスマひたぎ14

文具パーツは2つの群に構成され、それぞれ台座との間に専用の軸をハメて、直立させます。
設置する角度は、文具パーツがガハラさん本体に干渉しないよう、そしてパーツを破損しないよう、慎重に調整していきましょう。

グッスマひたぎ15

改めてアップで。
凄いですね。ほんとうに凄い。よくぞここまで作ったものだと感心してしまいます。フィギュアのオプションパーツとはにわかに信じがたい見た目ですね。

グッスマひたぎ16

上からのアングルも、個性的で面白いです。
この写真でも判るように、台座は透明で真円というシンプルこの上ない物になっています。

グッスマひたぎ17

ここで破損によくよく注意しながら、もうひとつのポージングパターンに組み換え。
スカートと両手のパーツを挿し替え、周りの文具を外します。

グッスマひたぎ18

手にはそれぞれホチキスが。
ガハラさんのエピソードである【「クラブ」=「蟹」】を模したポーズです。

グッスマひたぎ19

これはこれで独特の雰囲気を醸し出していて良いですね。
ひとつの作品で、ふたつのパターンが楽しめる。そして、それだけで驚くほどその雰囲気が変わる。
つくづく面白い作品だなぁと思います。デザインの妙と言いますか、表現が豊かで優れているんだなと実感。

グッスマひたぎ20

文具パーツのみを撮影。
2つの群で設置しますが、実際には4つのパーツに分かれていて、2つずつ組み合わせるようになっています。
かなりトリッキーに組み合わさっているので、組み合わせる際や台座に設置する際に、変な方向に力を掛けて破損させないように十分に気を付けましょう。

そして下の写真は微グロ注意ということで。

グッスマひたぎ21

これが標準パターン用のスカートパーツです。
驚いたことに、一部の文具パーツだけでなく、手のパーツまで一体化され、接着されていました。
つまり、スカートを取り外す際には、これらを剥がすことのないようにしないといけないので、慎重な作業が求められます。
完成品フィギュアでここまでの作業スキルを求めるとか、どこまでもマゾ仕様ですね。いや、工作好き仕様とでも言ったほうが良いでしょうか。

グッスマひたぎ22

下から覗くように見ると、このように文具パーツが貼り付いています。
干渉させないように注意しましょう。


さてここでレビューを総括いたします。
ハマると最高の表情。代わりに、正面から見た顔はややヒラメ系。流し目表情に最適化した結果でしょう。瞳を外側に寄せたおかげで、角度が付いてもきっちりと視線がもらえる、最高の横顔を手に入れたワケですし。
あと、左の指の形状が最高です。指フェチとしてたまりません。

そして、ここで改めて強く申し上げたいことがあります。

パーツの破損に超ご注意ください。

別パーツとして台座の上に組み立てる文具類をモチーフにしたパーツ群はもちろ
ん、髪は硬度の高いABS製で折れやすく、スカートの中にはいくつかの文具が接着されており、分離できるようになっているのですが、分離する際に持ち方
や、力の加減を誤ると簡単に破損してしまいそうな仕様です。隅々にまで気を配りながら作業をしましょう。
台座への設置は、ガハラさん本体からのほうがいいです。先に文具を設置してから、はオススメできません。ガハラさんを確実に定位置に設置してから、干渉しないように注意を払いながら、慎重に慎重を重ねて方向を調整しながら文具類パーツを設置するのが良いです。
パーツの組み上げ方は付属の説明書に書かれています。これを見なければ、設置に自信が全く持てないスケールフィギュアは個人的に初めてでした。みなさんもちゃんと確認してから設置に取り掛かるようにしましょう。


以上、グッドスマイルカンパニーの【化物語】「戦場ヶ原ひたぎ」フィギュアのレビューでした。