つもりになれるかどうかは貴方次第。

まず、注意点から。
今回はレンズの特性を解釈しやすいように図解しますが、これは飲み込みやすくするために素材(事実)を噛み砕いてから都合の良いように捏造した物になりますので、光学系の技術的な興味を持ち始めたら忘れてください。
あくまでレンズのことに疎い初心者が、レンズの違いがサッパリわからんってな時にイメージしやすくするためだけの物と思ってください。
事実に則すると難解になり、図解にすることなど出来ないので、あえて事実をねじ曲げて“結果としてレンズの比較をしやすいように特化した”だけの図になります。
なので、鵜呑みにはしないように。あくまで参考までにしてくださいね。

こんな前置きをしたのでは、見たら損するだけなんじゃないか、と思われてしまうかもしれませんが、手前味噌ながらイメージは掴みやすくなるはずなので是非一度ご覧ください。レンズを使い分けたり、イメージ通りの撮影をする際の参考になるやもしれませんので。
ではまず一枚目。

焦点距離−広角

今回の図解で基本となるイメージ。
さっそくこのオレンジ色でクロスしている斜線は、一般的に【結像】を表すものであるところを、ピントの合っている部分(クロスしている部分)として代用していたりするので注意です。
とりあえずここでは、オレンジの線でクロスしている部分がピントの合っているところだと思い込むことにしてください。

焦点距離−望遠

そしてこちらは、広角レンズと望遠レンズの比較。
広角ってのはいわゆる幅広く全体が写せるレンズで、同じ位置に置いた被写体があるとすると、そちらは望遠に比べて小さく写ります。
対して望遠はその名の通り遠くの物を近くにあるように写すレンズなので、広角に比べて大きく写りますが、写る範囲は狭くなります。
この写る範囲というのが、画角、と言うものです。

以前の特集の写真を参考にすると。

14mm_yurie

こちらは広角側。上下左右の写る範囲が広く、肉眼に置き換えると、被写体のすぐ近くで視線を上下する時に見えるそれぞれの姿を同時に見ているような感じになります。あと、背後の景色も幅広く写っています。これが、画角の広い広角の写真です。

100mm_yurie

こちらが望遠側。見える範囲がだいぶ狭くなったように感じるでしょう。また、フラットな視点となるためクセのない画になります。肉眼に置き換えると、やや遠くから見て、その真ん中だけを見たときのイメージになります。

上下の写真とも、ほぼ同じ大きさに見えますが、実際には広角側は望遠側よりもずっと近くで撮影しています。上の図で、クロスしている位置に被写体を入れていると思ってください。


こちらを頭に入れてから、次の図をご覧ください。ここからは画角から、絞りの話に変わります。

ピント−絞り開放

改めて図にも書いてありますが、こちらは事実とは異なります。
そして、先ほどと同じような画像でありながら、オレンジの斜線が意味するものは違ってきます。
先ほど頭に入れたものを、そっと隣に除けてください。
絞りと、ボケの関係図になります。
次の図も合わせてご覧ください。

ピント−絞り縮小

絞り値が大きい(より小さく絞る)ほうが、ピントの合う範囲は広くなり、背景のボケる効果は小さくなります。つまり、絞れば絞るほどより全体がクッキリしてきます。
実際には、絞れば絞るほど回折ボケという現象が起こるなんてジレンマ現象もあったりしますが、今回はそこまで落とし込むコンセプトはないので、基本的には絞れば絞るほどピントの合う範囲が大きくなってボケが少なく、全体的にクッキリしてくると思ってください。

以下に具体例を掲載します。こちらも他の特集からの転用になります。

F1.4_saber

手前の手にピントを合わせ、絞りを大きく開けたもの。ピントを合わせたところから先(後ろ)はボケボケになっています。

F22_saber

こちらは、ピントがあった位置は変えずに、絞りを小さくして全体的にピントを合わせた写真。
全体的にクッキリとした写真を撮るのか、ボケ味を生かした写真を撮るかで、この絞り値をどこにするのか決めていきます。
ボケ味は写真のテイストなので、構図と共にセンスが問われる場所。そして、より写真撮影を楽しむための醍醐味でもあります。
どちらが良いなんて事は決められないので、目指したイメージを実現するのに相応しい絞り値を選びましょう。
しかしながら、絞ることは同時に光を取り込む量を少なく事になるので、暗くなって結果的にシャッタースピードが落ちます。手持ち撮影で室内撮りをする場合には、絞れば絞るほど手ブレの影響が強く出てきますので気を付けてください。


最後に、前ボケと後ボケの付け方を。
もうセンサーへの当たり方とかどう考えてもオカシイ図になるので、レンズの手前からの関係図にしました。なんとなく、そんなものなんだなと思うだけにしておいてください。

ピント位置

被写体を手前に近づけて、ピントをそちらに合わせると、後ろが大きくボケます。代わりに、手前のボケは小さくなります。被写体を後方に遠ざけて、ピントをそちらに合わせると、前が大きくボケます。代わりに、後方のボケは小さくなります。
この現象は写真を見ても解りにくいでしょうから、そういうものだと思ってもらうしかないでしょう。

先ほど書いた絞りの値を加えて、ボケの出具合をまとめると。
後ボケをより大きくするには、被写体を近づけてそちらにピントを合わせ、絞りを開く(F値を小さく)することとなります。

そうすると、こんな写真が撮れたりします。

式×アキバイルミ 2

こちらはいわゆる「光点ボケ」というものですが、実際にはこのように大きな光の玉ではなく、それなりに遠いところに小さなLEDがまばらに付いているだけです。その光のひとつひとつが大きくぼけることで、このように大きく、重なりなって表現されます。


さて、なんとなくでもレンズの特性が掴めてきたでしょうか?

とはいえ何度も言いますが、図解はあくまでも感覚的に受け取りやすく理解しやすいようにした物ですので、光学理論を考えると矛盾点が満載です。既にレンズの特性をちゃんとご存じの方にとっては、図の表現にツッコミどころが満載すぎてやきもきしたことでしょうが、どうかそこは大人の対応でスルーしてやってください。

結果として、フィギュアをはじめ様々な写真撮影に応用しやすくなっていたのならそれで良いかなと。コンピュータを使うのに、その内部の基盤レイアウトやチップまで知る必要がないように、その使い方の方法だけピックアップすれば快適により価値のある利用ができるので、事実を的確に知る必要など無いのです。その域に達し、必要となった時にはじめて、ようやく事実をなぞればいいんです。

そういう事にしてもらえると、この微妙な完成度の特集も少しはマシなものになったような気がするので。